原油落ち着くも米利上げに懐疑的な見方で中小型株物色へ
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4日の日本株市場は、やや波乱含みの相場展開を余儀なくされそうだ。3日の米国市場では原油相場の反発を受けて、NYダウは183ドル高となった。しかし、1月の非製造業総合景況指数が2014年4月以来の低水準となったことが嫌気され、一時200ドル近く下げる場面もみられている。また、為替市場ではドルが円やユーロなど主要通貨に対して急落し、一時1ドル117円台に突入している。ダドリー米NY連銀総裁は、金融環境のひっ迫に懸念を表明したことを受けて、米利上げに懐疑的な見方が広がっている。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比160円安の17000円と、辛うじて節目はキープしている。しかし、ダドリー総裁発言を受けたドル安が嫌気され、一時16620円まで急落している。これにより、先週の日銀によるマイナス金利政策導入を評価した上昇部分を完全に打ち消しており、足元のリバランスに対する更なるリバランスの商いが、市場を混乱させよう。
もっとも昨日の調整局面で既にセンチメントは悪化していたこともあり、狼狽売りが強まる流れにはならないだろう。決算発表が本格化する中で積極的な売買は手控えられており、冷静さは保たれている。反対に原油相場が反発をみせたことから、短期筋のショートカバーなども下支えとして機能しそうである。
物色の流れは為替を睨みながらとなる中で、輸出関連は手掛けづらくなりそうだ。また、先物主導によるインデックス売買に振らされ難い中小型株などへ個人主体の資金はシフトしやすいと考えられる。中国化工集団は、スイスの農業化学大手シンジェンタを5兆円超で買収すると報じられている。中国企業による欧米企業の買収としては史上最大規模となり、化学セクターには再編機運が高まりそうである。
<AK>
2016/02/04 08:32:49