欧米為替見通し:ギリシャの緊縮策受け入れ拒否も、下値では値ごろ感から買い戻し
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ドル・円は下げ渋りが続きそうだ。下値では値ごろ感による買い戻し、上値では利益確定売りがみられ、値幅は大きく触れないと予想される。欧米市場では、欧州中央銀行(ECB)の対応や関連のニュースが注目される。
5日に実施されたギリシャの国民投票で財政緊縮策の受け入れが拒否されたことを受け、ユーロ体制の維持に懸念が増し、金融市場ではリスク回避姿勢が強まっている。
きょう早朝の海外取引時間帯ではユーロ売り先行で始まり、ユーロ・ドルは1.1000ドルを、ユーロ・円は134円をそれぞれ割り込んだ。こうしたユーロ売りがドル・円に波及し、一時121円88銭まで下げた。
東京の取引時間帯では、値ごろ感から機関投資家をはじめとする国内勢が買い戻しの動きを強め、ドル・円は122円台を回復。ドル不足の輸入企業がドル買いを進め、122円後半に戻した。
東京市場をはじめ、アジアの主要株式市場でもリスク回避姿勢が強まり、売り優勢となっているが、前週大きく売られた中国株が上昇に転じていることから、ドル・円の売りが大きく進んでいない。
市場関係者は、「ギリシャ問題への警戒感が広がっており、全般的にリスク回避姿勢が強い」としながらも、「必ずしもギリシャ問題だけで売り買いされているのではなく、下値では値ごろ感から買い戻しが入りやすく、上値では利益確定売りが出やすい」と話す。
ただ、日経平均株価が下げ幅を一時500円超に拡大したほか、当局の株価対策で堅調だった上海株が中盤以降は上げ幅を縮小した。欧米市場でも、主要株価指数にらみの展開で、リスク回避姿勢が強まれば、ドル・円やユーロ・円の売りにつながるとみられている。
一方、スイス・6月消費者物価指数や米・6月ISM非製造業景況指数(総合)、ギリシャ問題に関する要人発言の内容などが材料視されそうだ。
【本日の欧米市場の予定】
・16:15 スイス・6月消費者物価指数(前年比5月:-1.2%)
・23:00 米・6月ISM非製造業景況指数(総合)(予想:56.5、5月:55.7)
・23:00 米・6月労働市場情勢指数(5月:+1.3)
<SY>
2015/07/06 17:20:02