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今夜に注目すべき3つのポイント~ギリシャは週末まで猶予、中国の下落が波及

出所:http://www.fisco.co.jp/media.html


8日の欧米市場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■米国株式見通し:ギリシャは週末まで猶予、中国の下落が波及
■日経225先物ナイト:日中終値比110円安で推移、欧州はプラス圏での推移
■欧米為替見通し:中国株にらみで目先122円の水準を維持できるか注視


■ギリシャは週末まで猶予、中国の下落が波及

7日のNY市場は上昇。ギリシャの債務問題への先行き不透明感は強いものの、再び協議の場についたことで進展期待などもあり、NYダウ、ナスダックともに上昇。ダウ平均は93.33ドル高の17776.91、ナスダックは5.52ポイント高の4997.46。

欧州は全般上昇して始まっている。ユーロ圏各国はギリシャ政府に対し、支援を行う前提となる構造改革案を9日までに提出するよう求めた。この新たな提案の提出を受けて、12日に相次いで会議を開き、提案の内容を精査したうえで対応を協議する。一先ず12日までは小康状態との見方などもあり、買戻しの流れが先行している。

一方で、グローベックスでは米株先物は軟調に推移しており、NYダウで160ドル安程度の下げを織り込んで推移している。ギリシャは小康状態は見込まれるが、中国の下落影響が警戒されているようである。既に米国に上場しているアリババが安値を更新するなど、中国の下落が波及している。中国では当局の相次ぐ株価浮上策、4割の銘柄が売買停止となるなど市場価格形成の歪みなど、市場として機能していないとの見方に。売買停止によって売れない中で、米国上場の中国企業への売りが強まる格好。資金流出への思惑から不動産などにも影響を与える可能性もあり、不透明感の強い相場展開になりそうだ。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■日経225先物ナイトは日中終値比110円安で推移、欧州はプラス圏での推移

19時00分時点の日経225先物ナイト・セッションは日中終値比110円安の19550円で推移。寄付き後に19450円まで下げるなど日中取引の余韻が残っている。為替市場では、ドル・円は121円50銭台、ユーロ・円は133円80銭台と円高が進行。ただ、欧州株式市場では主要株価指数は総じてプラス圏で推移している。中国株の影響はアジア市場のみといったところに。とはいえギリシャ情勢の不透明感が引続き強いことから欧州株がマイナスに転じる可能性は高い。225ナイトもボラタイルな展開となろう。

(先物OPアナリスト 田代昌之)

(日本時間18:50時点 / 現在値 / 前日比 / 前日比(%))
・イギリス FT100 / 6465.68 / +33.47 / +0.52%
・フランス CAC40 / 4628.57 / +23.93 / +0.52%
・ドイツ DAX / 10689.64 / +12.86 / +0.12%


■中国株にらみで目先122円の水準を維持できるか注視

ドル・円は、下げ渋りとなりそうだ。ギリシャ問題の不透明感よりも中国株安への警戒感が強まっており、リスク回避の円買いが進みやすい。ドル・円は一時的に122円台を下回っても、目先この水準を維持できるか注目される。

引き続き中国株の値動きに警戒感が強い。中国人民銀行(中央銀行)は8日、株式市場の安定性確保に努める姿勢を示しているが、前日大きく売られた上海B株はきょうも7%程度下落し、混迷が深まっている。

中国株の混乱を受け、東京株式市場も日経平均株価が節目の2万円を割り込んだ。これを受け、東京市場のドル・円は一時122円を下回った。このところ、122円を維持してきたことから、一時的に割り込んだとしても、目先もこの水準を維持できるか注目される。

目先は日経平均株価の2万円割れが目安になるという。銀行系の市場関係者は「122円付近の水準がブレークした場合には一気に下落に傾く可能性があるので、きょうの取引はオーバーナイトも含め、特に注意が必要だ」と話す。

別の市場関係者は、「リスク回避の円買いに間違いないが、国内勢、海外勢ともポジションを縮小している」とし、積極的に動きにくい状況を指摘する。

また、先の銀行系市場関係者は、「中国の株式市場が通常の取引に戻らないと、金融市場が負の連鎖を起こす可能性が警戒され、世界的に混乱は収まらない」との見方を示す。

一方、ギリシャ問題では、ユーロ圏首脳が7日夜、ブリュッセルで緊急会合を開き、ギリシャ政府に対して週末までに財政構造改革案を提示するよう要求した、と伝えられる。欧州連合(EU)28カ国の首脳は12日に会合を開き、ギリシャへの対応を決める。

ユーロは引き続き売り優勢の展開だが、134円を割り込むと、値ごろ感から国内勢の買いが入り、この水準が維持されれば、ドル・円の下値も堅いとの見方もある。

(為替・債券アナリスト 小瀬正毅)


☆欧米市場のイベントスケジュール☆

・20:00 米・先週分MBA住宅ローン申請指数(前回:-4.7%)
・02:00 米財務省10年債入札(210億ドル、リオープン)
・03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録公表(6月16-17日開催分)
・03:00 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁講演(経済見通し)
・04:00 米・5月消費者信用残高(予想:185億ドル、4月:205.41億ドル)
・英中銀金融政策委員会(9日まで)



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2015/07/08 19:09:33

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