後場に注目すべき3つのポイント~中国市場を睨みながらの相場展開、マド埋めとなる19737.64円を意識
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9日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・中国市場を睨みながらの相場展開、マド埋めとなる19737.64円を意識
・ドル・円は121円23銭付近、日経平均の下げ幅縮小で買い戻し
・前日売られたファナック<6954>やコマツ<6301>などの中国関連銘柄が反発
■中国市場を睨みながらの相場展開、マド埋めとなる19737.64円を意識
日経平均は続落。135.43円安の19602.21円(出来高概算21億7000万株)で前場の取引を終えている。チャイナ・ショックが米国市場へ波及したほか、米国ではシステム障害で売買停止なども起こるなか、リスク資産を圧縮する流れが強まった。19500円を割り込んで始まった日経平均は、その後、上海が2%超の下落で始まった影響を受けて下げ幅を拡大。一時、4月以来の19100円台まで下げる局面をみせた。
前引けにかけては、上海がプラス圏を回復したこともあり、一気に19600円台を回復するなど、中国株式市場に翻弄される相場展開だった。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1700を超え、全体の9割を占めている。規模別指数では大型、中型、小型株指数ともに下げているが、小型株指数の弱さが目立つ。セクターでは33業種全てが下げており、海運、パルプ紙、非鉄金属、ゴム製品、機械、鉄鋼、金属などの弱さが目立つ。
チャイナ・ショックにより、日経平均は僅か2日間で一時1200円を超える下落となった。さすがに急ピッチの下げに対する自律反発が意識されるところであろう。ただし、中国市場は売れない状況下で下げ渋りをみせている需給状況である。中国の売買停止企業が増える中、当然ヘッジ売り対象やポジション圧縮が進められるため、日本が売り対象になりやすく、不安定な状況は続きそうである。
前日の急落の反動から、本日は割り切りスタンスで短期的なリバウンドを狙いやすかったが、利益確定は早いだろう。日経平均が19600円まで下げ幅を縮めるなか、短期的な達成感も出やすい。マド埋めとなる19737.64円まで戻せないと、再び不安定な状況になりやすいだろう。中国市場を睨みながらの相場展開が続こう。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は121円23銭付近、日経平均の下げ幅縮小で買い戻し
ドル・円は121円23銭付近で推移。中国株ショックを受け前日の取引で122円の水準を割り込んだ後、海外市場では120円前半に下げ、東京市場でも軟調で推移している。ただ、株価の下げ幅が縮小されると買い戻しがみられる。
ギリシャ問題の不透明感よりも中国株安への警戒感が強まっており、リスク回避の円買いが進みやすい地合い。前日の海外市場では120円41銭まで売り込まれ、東京市場では120円71銭で寄り付いた。
午前中は株価にらみの取引で、日経平均株価が下げ幅を縮小した局面では、国内勢を中心とした買い戻しが入り、121円を回復した。
引き続きリスク回避の動きから円が買われやすく、市場関係者は「心理的節目であるドル・円120円の水準を維持できるか注目している」と話す。
12時35分時点のドル・円は121円23銭、ユーロ・円は134円30銭、ポンド・円は186円46銭、豪ドル・円は90円47銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 小瀬正毅)
■後場のチェック銘柄
・中国株安懸念でソフトバンクグ<9984>は値下がり寄与度トップ
・前日売られたファナック<6954>やコマツ<6301>などの中国関連銘柄も反発
・ファストリ<9983>に格上げの動き、期待感高まるかに注目
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・12:45 30年国債入札の結果発表
<海外>
・15:00 独・5月貿易収支(予想:+205億ユーロ)
・15:00 独・5月経常収支(予想:+160億ユーロ)
<SY>
2015/07/09 12:34:50