後場に注目すべき3つのポイント~人民元の連日切り下げで波乱の展開、シグナル悪化で値ごろ感では参加しづらい
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12日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・人民元の連日切り下げで波乱の展開、シグナル悪化で値ごろ感では参加しづらい
・ドル・円は125円18銭付近、人民元安受け125円前半でもみあう展開
・中国の小売売上高などに関心が高まる
■人民元の連日切り下げで波乱の展開、シグナル悪化で値ごろ感では参加しづらい
日経平均は大幅に下落。225.35円安の20495.40円(出来高概算12億8000万株)で前場の取引を終えた。11日の米国市場では中国が人民元の対ドル相場を予想外に切り下げたことで市場が混乱し、NYダウは前日の上昇分を帳消しとする200ドル超の下落となった。シカゴ日経225先物清算値が20620円となる中、朝方はこれにさや寄せする格好から売りが先行した。
その後は下値の堅さが意識されるなか、一時20700円を回復する局面もみられた。しかし、中国人民銀行は12日、この日の人民元レートの基準値を1ドル6.3303元と発表。前日に比べて1.62%の元安ドル高水準であり、連日の大幅切り下げが嫌気され、先物市場では一気に20500円を下回る急落となった。
東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1300を超えており、全体の7割を占めている。セクターでは、鉱業、鉄鋼、非鉄金属、証券、輸送用機器、化学、電気機器、石油石炭などが冴えない。
日経平均は5日線レベルの攻防から、一気に25日線を割り込むなど、中国人民元の連日の切り下げを背景に、波乱の展開となっている。NTT<9432>、ソフトバンクグ<9984>辺りが堅調に推移しているが、下支え効果は限られている。上海市場は小動きで推移しており、下げ幅を広げてくるようだと、不安感が一段と強まる可能性がある。
また、楽観視はしづらいものの、日経平均は一先ず25日線までの調整を経ており、リバウンドを意識したい水準ではある。テクニカル面ではパラボリック、MACDが陰転シグナルを発生してきている。テクニカル面でも弱いシグナルが出てきており、値ごろ感だけでは参加しづらいだろう。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は125円18銭付近、人民元安受け125円前半でもみあう展開
ドル・円は125円18銭付近で推移。人民元安を受け、ドル・円は125円前半でもみあう展開となった。
11日の欧米市場では、中国人民元の中心レート引き下げの影響でドル買い・円売りが優勢となり、ドルは一時125円21銭まで買われた。その後は欧米株安が意識されたが、125円台を維持した。
きょうの東京市場で、日経平均株価が小幅安で推移しているものの、ドル高・人民元安を受け小幅に値を切り上げ、一時125円24銭まで上昇した。
日経平均の下げ幅が一時300円に迫る場面もあったが、リスク回避の円買いには振れていない。ただ、米10年債の利回りが低下傾向のため、午後以降の取引で警戒される見通し。
12時25分時点のドル・円は125円18銭、ユーロ・円は138円44銭、ポンド・円は194円79銭、豪ドル・円は90円80銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・Fリテ<9983>、ファナック<6954>、ダイキン<6367>が日経平均を約65円押し下げ
・人民元連日切り下げで、引き続きインバウンド関連には先行きの鈍化懸念
・中国の小売売上高などに関心が高まる
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・13:30 6月鉱工業生産確報(速報値:前月比+0.8%)
・13:30 6月第3次産業活動指数(前月比予想:+0.1%、5月:-0.7%)
<海外>
・14:30 中・7月鉱工業生産(前年比予想:+6.6%、6月:+6.8%)
・14:30 中・7月小売売上高(前年比予想:+10.6%、6月:+10.6%)
<SY>
2015/08/12 12:34:49