欧米為替見通し：ドル・円は底堅い、英国への警戒一服で押し目買い – フィスコ in とれまが

今日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想したい。英国の「ハード・ブレグジット」への過度な警戒はいったん後退し、値ごろ感による押し目買いが入りやすい見通し。ただ、米新政権による政策の不透明感からドル買いは限定的となる可能性もある

メイ英首相が前日の欧州連合（EU）離脱交渉に向けた演説で、単一市場から撤退する意向を初めて表明したが、離脱交渉の最終合意は上下両院の承認を求めると言明したことで、想定よりもニュートラルとの見方が強まった。演説を受けポンド売りポジションを調整する動きがみられ、ポンド・ドルは1.22ドル台から1.24ドル台まで買い戻された。ある外為ディーラーは、「英国経済への懸念は残るものの、リスクオフのムードはいったん和らいだ」と指摘。今日のアジア市場では、日経平均株価が反発して引け、米長期金利が上昇したことで、ドル・円は113円台に戻している。

一方、トランプ次期米大統領が米紙とのインタビューで、米企業は「（中国）と競争できない。なぜならドルが強く、われわれは死にそうな目にあっているからだ」と述べたことについては、ドル高けん制発言と市場で受け止められている。ただ、先の外為ディーラーからは、「対人民元への言及であって対円ではない」との指摘もみられる。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 南ア・12月消費者物価指数（前年比予想：+6.5％、11月：+6.6％）
・18:30 英・9-11月ILO失業率（予想：4.8％、8-10月：4.8％）
・19:00 ユーロ圏・12月消費者物価指数改定値（前年比予想：+1.1％、速報値：+1.1％
・20:00 南ア・11月小売売上高（前年比予想：-0.4％、10月：-0.2％）
・21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)（前回：+5.8％）
・22:30 米・12月消費者物価指数（前年比予想：+2.1％、11月：+1.7％）
・23:00 カプラン米ダラス連銀総裁がパネル討論会に出席
・23:15 米・12月鉱工業生産（前月比予想：+0.6％、11月：-0.4％）
・23:15 米・12月設備稼働率（予想：75.4％、11月：75.0％）
・24:00 米・1月NAHB住宅市場指数（予想：69、12月：70）
・24:00 カナダ中銀が政策金利発表（0.50％に据え置き予想）
・01:00 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁講演（米国経済）
・04:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
・05:00 イエレン米FRB議長がパネル討論会に出席
・06:00 米・11月対米証券投資収支（10月：ネット長期有価証券+94億ドル）




＜SK＞