【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家「兜町放浪記」氏: 円安・株高サイクルの終焉
出所:http://www.fisco.co.jp/media.html
以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家兜町放浪記氏(ブログ「兜町放浪記」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2017年3月23日9時に執筆
世界各国の株式市場が史上最高値を更新する中で、いまだに東京市場だけが最高値の半値水準に甘んじている。今年の大発会から3ヶ月が経過しようとしているが、日経平均は1度たりとも20000円に触れることさえ出来ない。
日経平均20000円が高嶺の花でもあるまい。しかし、ここまで頑なに、几帳面に跳ね返されるのは、そこから上は誰も買わないし、その付近に来るとどこからともなく売り物が湧いてくると勘繰る妙なコンセンサスが市場に漂っているのだろう。
今日の東京市場は為替市場でじりじりと円高傾向となり111円台前半に突入している。日経平均は再び下値を試す流れとなり期末にかけ19000円の攻防となりそうだ。
私にとって衝撃的であり、ある確信を掴む出来事と言っては大袈裟であろうか、先週末の米金利の引き上げ実施にもかかわらず円相場がピクリともしなかった現実は大きい。もはや日米の金利差拡大を錦の御旗に円安を想定することが叶わなくなったと感じるのだ。
その最たる要因はトランプの存在ではないか。円安で日本企業が潤うとき、必ず立ちはだかる障害となり得るのが為替水準に口先介入をいとわない米大統領の存在だ。何を言い出すかわからない放言癖ぶりは前もって織り込めない。「円安自粛ムード」が為替マーケットでは着実に浸透している。
この動きは同様のケース(この先数回はあるであろう米利上げ)でも経験則として機能する可能性が高い。今後の再利上げでも120円/1ドルを目指すような円安にならなくなったときこそ、いよいよ金利引き上げの打ち止め感が出はじめるときだ。その瞬間から長期的かつ本格的な円高時代に戻る号砲が響くことになる。
日本株にとっての「円安相場の宴」はすでに終わったものと想定する。期待されたオリンピック景気もさほどのものではない。2020年に向けては円高・株安のサイクルが復活するようで中長期的にも日本株がおかれる環境は厳しいものになるのではなかろうか。
個別株の動きでは、直近IPO銘柄の調整色が強まっている。3月はIPOの集中月となっており目先の需給悪化は避けられない。そうかといって主力株に成長力を求める時代ではない。新興市場銘柄の深押しに狙いを定めるほうが将来の成果は大きいはずだ。上場から日が浅いがしっかり営業益を出すほぼ日<3560>、営業支援クラウドサ−ビスが注目されるシャノン<3976>などの突っ込み買いに妙味を感じる。
執筆者名:兜町放浪記
ブログ名:兜町放浪記
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2017/03/23 10:00:00