リップル価格高騰 韓国ウォンとの取引が急増【アルトコイン評価ニュース】
出所:http://www.fisco.co.jp/media.html
足元リップル(XRP)の価格が高騰し、過去24時間の間に36.8%高騰している。コインマーケットキャップのデータによると、韓国の仮想通貨取引所でリップル(XRP)/韓国ウォン(KRW)の通貨ペアの取引急増が背景にある。
23日時点ではリップルの取引量全体のうち46.57%が韓国の取引所BithumbにおけるXRP/KRWの通貨ペアで行われており、24時間以内に米ドル換算で7億米ドル以上の出来高に達している。これにCoinone、Korbitなどの韓国取引所が続き、リップル全体に占めるKRWの取引は23日時点で76.05%にも及ぶ。
ビットコインや、8月2日にビットコインから分岐して新たに誕生したビットコインキャッシュなどの仮想通貨取引に占める韓国ウォンの割合は拡大しており、先週にもビットコインキャッシュの価格高騰に影響したと見られているが、これに続いてリップルの価格高騰にも韓国の投資家動向が影響した可能性が高い。
リップルとは、8月23日現在1,000近くある上場コインの中で時価総額第4位に位置する仮想通貨である。クロスボーダー即時決済に特化したコインで国内外の大手金融機関もその技術に注目しており、日本でも三菱東京UFJ銀行がリップルを発行しているリップル社主催のグローバル銀行間コンソーシアム「Global Payments Steering Group」(世界各国の金融機関がリップル社のソフトウェアをスムーズに導入し利用できるよう基本のルールを決めて、ネットワーク普及に繋げることを目的に発足したグローバル共同事業体)への参加を表明している。
この価格高騰前に、リップルの中国市場進出に関するニュースが流れていた。先週、中国のIT大手アリババ・グループがリップルのバリデーター(検証)ノードを運営している可能性を指摘する声が複数流出したことが発端である。リップル社自身はこの可能性を否定したが、アリババCEOの発言によって、中国の5.5兆ドル規模といわれるモバイル決済市場に君臨するアリババのサービス「アリペイ」の基盤にブロックチェーン技術を用いることを検討していることが確認された。
アリババがアリペイにブロックチェーン技術を使用することに興味があることが確認され、特に目下中国で拡大するクロスボーダーeコマース(越境EC)においては低コストかつ高速な決済処理が求められている現状がある以上、リップルが中国市場と提携する可能性は高まっているといえる。中国の越境ECは現時点で全外国通商の20%近くを占めるといわれる巨大市場でもある。
リップルの追い風となりそうな要素は他にも存在する。中国当局が来年の6月までに全てのモバイル決済を監視・管理すると発表したことだ。時代に逆行する当局の動きではあるが、低コストに取引履歴を保存できる手段としてもリップルに注目される可能性がある。
文化的、経済的、技術的障壁の存在を超えることは容易ではないかもしれないが、5兆ドル規模の中国市場へのリップル参入が実現するのかどうか、その動向が注視される。また、こうした動向が同じ東アジアに属する韓国や日本の市場をどのように動意づけるかも注目だ。
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2017/08/23 12:19:03