政治リスクでドル105円割れに警戒【フィスコ・コラム】
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森友学園との土地取引に関連した公文書の改ざんをめぐり、安倍晋三首相が窮地に立たされています。今後の支持率の行方によっては退陣のリスクも浮上しそうです。足元の政治情勢は最大の相場変動要因とみられ、投機的な円買いが警戒されています。
安倍首相は昨年2月の国会答弁で、自身や昭恵夫人が土地取引に関与していた場合には総理のみならず議員を辞めると明言しました。野党が指摘するように、その発言が公文書改ざんのきっかけになったのだとしたら重大な問題です。監督責任のある麻生太郎財務相の辞任は避けられず、今年9月の自民党総裁選への影響も必至で、株価や為替などにも反映する見通しです。
当面は財務省の佐川宣寿前理財局長の国会招致が注目されます。現時点で証人喚問か参考人招致かは不透明で、前者は偽証罪に問うことができますが、後者だと発言内容に強制力がないため内容が変わってくるでしょう。焦点は、文書の改ざんがどのような経緯で行われたかです。もちろん、理由や携わった人物、などが明らかにされなければ意味がありません。
ただ、佐川氏は全容を明らかにするとは考えられません。消費増税への思惑が絡んでくるためです。安倍首相が税率10%への引き上げを当初予定された2015年10月から17年4月、さらに2019年10月と、2度にわたり延期した経緯を思い出してください。財務省は、高支持率の安倍政権なら消費増税が可能とみたからこそ、これまで陰に陽に協力してきました。
財務省からみれば、安倍政権に2度も貸しを作ったのですから、是非ともやり遂げてもらわなければなりません。総裁選の結果、新しい政権が発足すれば、最も不人気の消費増税など手を着けたがらないはずで、来年10月の税率引き上げは見送られる可能性が高まります。「増税のためなら何でもやる」(ある自民党筋)といわれる財務省は、野党の追及を封じることで安倍政権を守り続けるはずです。
他方、市場では安倍首相の退陣リスクが強まった場合、日本株売り・円買いのシナリオが想定されています。ある短期筋は、ドル・円が重要な節目である105円を維持できるか、という点に注目しています。2月には105円25銭まで弱含んだものの、その後は押し目買いが入り、105円台は下値の堅さが確認されています。ただ、投機筋による仕掛け的な円買いでブレークされる展開には注意が必要です。
<SK>
2018/03/18 09:30:00