欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、中東情勢への警戒で円買いも
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10日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。米インフレ率の上昇が金融正常化方針を後押しするとみられ、ドル買いの地合いは継続する見通し。反面、米国のイラン核合意からの離脱の影響で、中東の地政学リスクに警戒が強まり、円買いになる場面も想定される。
前日発表された米国の4月生産者物価指数(PPI)は予想以上の低下となったが、今晩の4月消費者物価指数(CPI)は、連邦準備制度理事会(FRB)が目標とする前年比+2.0%を上回る見通しで、金融正常化堅持への見方が強まりそうだ。本日のアジア市場で、米10年債利回りは前日の3%付近から2.97%台に低下したものの、米長期金利は先高観が強く、ドル・円は心理的節目の110円台の回復トライが続くとみられる。
一方、今晩は英中銀金融政策委員会(MPC)の政策決定が注目される。足元の経済指標の低下を受け、金融政策は据え置きの公算。その際、欧州経済の鈍化が懸念され、ポンドのほかユーロなど欧州通貨は売られやすい地合いとなり、ドル選好地合いが鮮明になりそうだ。もっとも、英利上げ見送りはすでに織り込み済みのため、政策発表直後は調整によるポンド買い戻しもみられよう。
ただ、ドルの上昇は今晩も限定的となりそうだ。トランプ米大統領は10日、「イランは核開発再開なら深刻な結果を招く」とツイッターに投稿した。米国の対応を受け、イラン革命防衛隊は10日未明、シリア・ゴラン高原のイスラエル入植地にロケット弾20発を発射。また、イランと敵対関係にあるサウジアラビアの閣僚は核開発を表明している。こうした中東情勢の緊張の高まりにより、地政学リスク警戒の円買いがドル・円の上昇を抑える可能性がある。(吉池 威)
【今日の欧米市場の予定】
・17:00 欧州中央銀行(ECB)経済報告
・17:30 英・3月鉱工業生産(前月比予想:+0.2%、2月:+0.1%)
・17:30 英・3月貿易収支(予想:-113.00億ポンド、2月:-102.03億ポンド)
・20:00 英中銀が政策金利発表(0.50%に据え置き予想)
・20:00 英中銀金融政策委員会の議事要旨
・21:30 米・4月消費者物価指数(前年比予想:+2.5%、3月:+2.4%)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:21.9万件、前回:21.1万件)
・02:00 米財務省30年債入札(170億ドル)
・03:00 米・4月財政収支(予想:+2120億ドル、17年4月:+1824.28億ドル)
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2018/05/10 17:25:00