USS Research Memo(5):中古車オークション業界における競争力は引き続き強さをキープ(1)
出所:http://www.fisco.co.jp/media.html
■業績動向
(3)事業セグメント別動向
○オートオークション事業
オートオークション事業の売上高は前期比1.8%増の50,981百万円、営業利益は同3.2%増の32,116百万円となった。オートオークション出品台数が同2.1%増の2,353千台、成約台数が同0.3%増の1,545千台と堅調に推移した。計画対比では新車販売減少の影響を受けて、出品台数がやや下回ったものの、成約台数は逆に上回った。会場別の出品台数を見ると、主力拠点である東京会場が前期比3.4%増、名古屋会場が同6.2%増、大阪会場が同3.2%増となるなど大都市部での出品台数が堅調に推移したのが特徴となっている。特に、名古屋会場は2013年8月に新会場を稼働し収容能力を増強した効果がでた。営業利益は増収効果に加えて、減価償却費や販促費、租税公課など営業費用が減少したことが増益要因となった。
手数料単価の動向を見ると、1台当たり出品手数料は5,405円と前期比で若干上昇した。手数料単価の低い大口会員の出品割合が若干増加したものの、一部の会場で手数料割引イベントを抑制したことがプラス要因となった。また、成約手数料も7,882円と若干上昇している。一部の会場で大口会員の割戻制度や手数料見直しを実施したことが要因だ。一方、落札手数料に関しては11,067円と若干下落した。円安を追い風に取扱台数を拡大している輸出業者が、コスト削減のため会場に直接来場するケースが増え、手数料の高い外部落札比率が前期の50.1%から48.2%に低下したことが要因だ。
この結果、手数料売上高は、出品手数料が前期比3.2%増、成約手数料が同1.0%増、落札手数料が同0.5%減となった。
中古車オークション業界における同社の競争力は、引き続き強さをキープしている。これは同社グループのオークション会場と他会場との成約率の差、また、1台当たり成約車両金額の差から見て取れる。ユー・エス・エス<4732>が進める「オークション会場としての質を維持しながら、出品台数のシェア拡大を図る」戦略は順調に進んでいると言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SF>
2015/07/03 16:42:15