PCIーHD Research Memo(4):M&A効果もあり2017年9月期は増収増益を達成
出所:http://www.fisco.co.jp/media.html
■業績動向
1. 2017年9月期の業績概要
(1) 損益状況
PCIホールディングス<3918>の2017年9月期の業績は、売上高11,397百万円(前期比34.0%増)、営業利益717百万円(同21.6%増)、経常利益726百万円(同22.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益450百万円(同11.8%増)となった。期中に(株)シスウェーブ及び(株)シー・エル・シーを完全子会社化したことで売上高は大幅増収となった。M&Aを実行したこと、エンジニア稼働率及びビジネス・パートナーの稼動数が計画を上回ったことから営業利益も大幅増となった。
(2) セグメント別概況
a) エンベデッドソリューション:売上高4,305百万円(前期比4.7%増)
同社グループの開発実績と自動車業界における先進技術を用いた安全運転システムを搭載したスマートカー開発等の好調な需要を背景に、顧客からの安定した引き合いが継続した。また、カーナビゲーション等の車載情報案件も引き続き堅調であった。車載系ECUにおけるモデルベース開発及びAUTOSAR開発案件の拡大、自動車向けチップセット開発案件も増加して、総じて好調に推移した。
b) ビジネスソリューション:売上高4,814百万円(同33.0%増)
企業向けソフトウェア開発において、金融機関向け及び産業・流通業向け案件が好調に推移した。また、2017年4月からの都市ガス自由化によるシステム開発及び保守需要を取り込み、これも売上増に大きく貢献した。
c) IoT/IoEソリューション:売上高703百万円(同9.0%減)
マルチメディア放送用の開発がなくなったことから減収となったが、開発案件等は増加している。技術開発の進展としては、位置情報を活用したイベントアプリのデータベースを構築、ARを活用したイベントへの技術提供を開始した。さらに、神戸市による「市バスを情報通信基地とするバスロケーションシステム」に利用される「V2Xユニット」を活用したソフトウェア開発の推進に注力している。
d) 半導体トータルソリューション:売上高1,574百万円(前期比較なし)
自動車・産業向け半導体需要の増加による国内外半導体市況の好調を背景に、主要顧客からの継続的な受注に加えて既存顧客の深耕により売上が伸長した。また、テストセンター案件の受注も好調に推移し、積極的な研究開発投資を吸収した。今後は、強みであるDFT技術に基づく回路設計案件を継続的に拡大する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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2017/12/15 15:34:00