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ソフトバンテク Research Memo(4):ストックビジネスの積み上げで限界利益が伸長

出所:http://www.fisco.co.jp/media.html

■2015年3月期決算

事業別の収益とトピックス

A)デジタルマーケティング事業
ECサービス事業の売上高は前期比1.1%増の17,385百万円となった。また、限界利益は同8.7%減の2,012百万円となった。Webフォント配信サービスを提供している子会社のフォントワークス(株)とソフトバンク・テクノロジー単体が手掛ける。主力のシマンテックストアの売上高が漸減する傾向は続いたが、フォントワークスが増収となり、事業全体としては増収を達成した。同社としては、想定どおりの着地と言えよう。

データアナリティクス事業の売上高は前期比40.6%増の1,672百万円となった。限界利益は同40%増の450百万円となった。売上規模自体はまだ小さいものの、ビッグデータに代表される成長事業であり、売上高、限界利益ともに高い成長率を実現している。同事業を手掛けているのはソフトバンク・テクノロジー単体と、独自のウェブ解析ツールを展開する子会社の(株)環だが、単体は前期比36.9%増、環は前期比で約倍増と両社ともに大幅な増収を達成している。

さらに注目すべき点は、ただ売上高を伸ばしただけでなく、分析ツールやコンサルティング、運用保守サービスといった、高い利益率に加え、継続した収益を確保できるストック型のビジネスが伸びたことである。

顧客の増加も実現した。期末の顧客企業数は112社と前期末比で22社増えている。Webアクセス解析ソリューションの充実が主な要因であるほか、自社開発ソリューションも拡充し、けん引役となった点も見逃せない。自社開発ソリューションとしては14年5月に資本業務提携した(株)モードツーと共同で、企業のWebサイトの改善をワンストップで行うパッケージサービス「siteVALUE」、ログを可視化してインシデント発生時の統合検索やセキュリティ監査時の調査に活用できる「4DP LogSearch」、自治体向けにホームページの利用者のニーズを解析できる「みやすい解析」(15年4月発売)などが発売された。

B)プラットフォームソリューション事業
セキュリティソリューション事業の売上高は前期比約3倍の3,482百万円となった。限界利益は同5倍の1,691百万円となった。14年3月に子会社化したサイバートラストと同社が手掛けており、売上高の急拡大の要因は、サイバートラストの売上高が上乗せされたことによる面が大きい。しかし、ソフトバンク・テクノロジー<4726>の売上高も46.6%増の1,664百万円と大幅に拡大している。

昨今、標的型攻撃や情報漏えい事故が増加するとともに、その手法も高度化・複雑化してきている。これには、高度なセキュリティの専門性が必要であり、顧客企業内のリソースで対応することが難しくなってきている。このため、専門的な知識や技術力を要する情報セキュリティ対策のニーズが高まっている。

これに対して、同社では、自社ホームページで脆弱性の調査レポートを無料公開している。これは、同社に、高い専門性を持つセキュリティエンジニアが数多く在籍していることを示している。

これらの高度な専門性をもったエンジニアが、Active Directoryに対するセキュリティ診断を行う業界初のサービス「Active Directory診断」の提供や、セキュリティ商材の拡充が増収に寄与した。

一方、減収となったプラットフォームソリューション事業は前期比20.8%減の8,393百万円となった。限界利益は同14.2%増の24億円となった。14年7月に買収したLinux 関連事業を手掛けるミラクル・リナックスと、同社が手掛けている。ミラクル・リナックスの売上高が上乗せされたものの、ソフトバンクグループ向けの機器販売の大幅な減少が、減収の要因となっている。ただし、運用保守サービスや、IT基盤構築の増加など、事業構造の転換が進んだことにより、限界利益は増益となった。想定どおりの着地と言える。

その他、14年3月期からスタートさせた公共団体向けのビジネスがソフトバンクグループ各社との連携により、受注件数が増加した。

また、車載向けのIoT(Internet of Things)組込ソリューションの開発に着手し、15年1月には子会社のミラクル・リナックスが車載機器向けLinux統合ソリューションのプロトタイプを開発した。早ければ2018年にも実現すると言われる自動車の自動運転に向けて期待のできるビジネスの“芽”と言えよう。

C)システムインテグレーション事業
マイクロソフトソリューション事業の売上高は前期比91.3%増の2,480百万円となった。限界利益は同80%増の961百万円となった。クラウド化への移行が進むなか、「Office 365」の導入・運用支援サービスが拡大し、累計導入件数が前期比2.8倍の35.6万ユーザーとなった。さらに、自社開発のクラウドサービスも急拡大し、累計導入件数が前期比2.1倍の29.7万ユーザーとなった。この実績から15年3月期もマイクロソフトから「Identity and Access コンピテンシー アワード」を受賞した。「Identity and Access コンピテンシー アワード」は、Active Directory Federation Services (ADFS)を採用したID管理や、Microsoft Forefront セキュリティ製品などの採用など、優れたIDおよびアクセス管理、セキュリティソリューションを構築したパートナーに贈られる。

これは、クラウドの運用・監視をすべて同社内で請負い可能な体制が整っている点が顧客からの信頼感につながっているためと考えられる。また、この体制はさらに既存顧客の深堀を可能にする。16年3月期からはその深堀がさらに進むが、具体的には16年3月期の業績予想で触れる。

Office 365の導入・運用支援に加えて、サービスラインナップの拡充も他の注力事業と同様に進んだ。マイクロソフトのクラウドサービス環境である「Microsoft Azure」の運用監視、バックアップ、セキュリティの運用技術支援、導入計画や各種オプションサービスの利用支援、既存のネットワークとクラウドを併用するハイブリッドクラウドサポートなど、顧客のクラウドサービスの利用をトータルにサポートする「Microsoft Azureマネージドサービス」、システム管理を一元化することでシステムの運用負荷の低減やコスト削減を実現する「System Center導入支援サービス」、クラウド環境では困難と言われているモバイルデバイスの統合管理基盤を構築できる「Enterprise Mobility Recovery Suite導入支援サービス」、災害時にクラウドのバックアップを行うシステム構築と運用サービスを行う「Azure Site Recovery導入支援サービス」 などが代表例である。

システムインテグレーション事業の売上高は前期比15.9%増の6,402百万円となった。限界利益は同27.3%増の28億円になった。人員の増加により、プロジェクトの規模が拡大した。これらのほかにも、子会社のM-SOLUTIONS(エムソリューションズ)(株)が、アルデバラン社ならびにソフトバンク<9984>の子会社であるソフトバンクロボティクス(株)が開発したロボット「Pepper(ペッパー)」を本社の受付に立たせて、ロボットを利用した次世代受付システムの実証実験もスタートさせた。

受注残
15年3月期末の受注残(単体)は前期比11.0%増の6,897百万円となった。ここでも利益率の高いビジネスの受注残が増加している。ストックビジネスは前期比20.1%増の56億円、フロービジネスは同24.5%増の8億円、機器販売は同53.4%減の3億円となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)



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2015/07/06 16:12:42

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